パニック障害

パニック障害の治療

 パニック障害の治療では、薬物療法と精神療法を組み合わせるのが一般的です。

 

 薬物療法では状況によってさまざまなが処方されます。精神療法では認知(ものごとの捉え方)を改善する認知行動療法や自分で暗示をかけリラックスを図る自律訓練法などが行われます。

 

 薬物治療においては、脳に悪影響ではないかと、必要以上に副作用を心配される方がいますが、そこまで酷い副作用はありません。薬物治療がパニック障害の治療に効果的であることは実証済みです。また、一生飲み続けることになるのではないかと不安になる人もいますが、それも誤解です。基本的に治ったら薬をのむ必要はありません。しかし、再発防止のために治療後もある程度の期間飲む必要があります。

パニック障害の治療の流れ

 パニック障害の治療の一般的な流れを紹介します。

 

 まず、初診を受けます。受ける医療機関は、通院手段や医師との相性などに鑑みて決めましょう。⇒パニック障害の相談窓口、病院や医師の探し方
 初診では、症状や悩み、程度、日常生活や仕事、病歴、家族歴などを聞かれます。初診は時間をかけてじっくりと行われます。

 

 次に検査・テストが行われます。病気や薬物中毒、その他身体的な問題がパニック発作を起こしていないかどうかを検査します。必要に応じて血液検査や脳の検査、神経系の検査などが行われます。また、心理テストや性格診断テストが行われることがあります。

 

 これらの結果から医師は治療方針を導き出し、患者にその方針を伝え、薬物療法や精神療法がスタートします。

 

 おおむね、3〜4回の服薬で効果が現れ始めます。2ヶ月経っても効果が出ない時は、治療法を見直す必要が出てきます。パニック障害は、平均、1年半くらいで改善されます。その後は薬の量は減らされ、最終的には断薬となります。

 

パニック障害の治療をしながら仕事を続けることは可能

 症状の程度にもよりますが、パニック障害は通院による治療が普通です。仕事を続けながら治療をしていくことも可能ですし、多くの方がそうしてます。

 

一般的な治療期間

 パニック障害の治療期間は個人差が大きいです。3ヶ月くらいで改善する人もいますし、数年かかる人もいます。早期治療を始めた人ほど治療期間が短いといわれています。治療に取り組むにあたっては、必ず治るという意識を持って臨むことが大切です。

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